回復期リハビリテーションとは
回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期病棟)とは、脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等により、立ち上がりや歩行等の基本動作、食事や排泄等の生活動作が困難になった患者様に対して、医師・看護師・介護士・医療ソーシャルワーカー・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等が共同し、集中的にリハビリを提供する病棟です。
当院では、回復期対象の患者様に対して、社会・家庭への復帰を目的に各患者様に合わせたリハビリプログラムを行い、機能の回復や日常生活で必要な動作の改善を図ります。
入院期間を通して、住宅改修や介護サービスのアドバイスを行うとともに、退院前には安心して在宅へ復帰できるよう家屋調査や外出訓練等にも取り組んでいます。
回復期病棟入院料を
算定可能な疾患
(資料出典:厚生労働省
2010年4月改定)
- 脳血管疾患、脊髄損傷・頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症・脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症・脳神経叢損傷等の発症後もしくは手術後の状態(150日以内)
- 大髄骨・骨盤・脊椎・股関節もしくは膝関節の骨折、二肢以上の多発骨折の発症後または手術後の状態(90日以内)
- 外科手術、肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有し、手術後または発症後の状態(90日以内)
- 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経・筋靭帯損傷後の状態(60日以内)
- 股関節または膝関節の置換術後の状態(90日以内)
()内はリハビリ限度期間
入院から退院までの流れ
入院
入院中のリハビリは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士それぞれの担当が、患者様に合ったプログラムを実施していきます。
365日リハ実施
日曜日・祝日も含めて毎日リハビリを実施します。
その他、患者様のスケジュールや入院中の様子に関しては、『1日のスケジュール』や『回復期病棟での取り組み』をご覧ください。
カンファレンス
入院後1ヵ月を目安にカンファレンスを開催し、患者様それぞれの状況について報告する場を設けます。
主治医をはじめ、看護師・薬剤師・栄養士・介護士・リハビリスタッフ・医療ソーシャルワーカーと関わる職種すべてが参加し、各部門で情報を共有していきます。
その後も定期的にカンファレンスを行い、方向性を決めていきます。
ご家族の見学について
ご家族のリハビリ見学は自由です。
リハビリの予定は、患者様のお部屋に掲示させていただきますので、それに合わせてご来院いただければ、事前の連絡がなくてもリハビリを見学することが可能です。
退院への準備
退院後の生活に合わせた動作練習や、介護サービスの利用のアドバイス等をさせていただきます。
家屋訪問
退院後の生活に向けて自宅を訪問させていただき、患者様自身に必要となる日常の身の回り動作(移動、トイレ・入浴動作等)を実際に行っていただいた上で、具体的な介助方法や必要な家屋改修、福祉機器の選択・提案等を行っていきます。
外出練習
リハビリが進み、今後お一人での外出が必要となる場合に行っていきます。
実際に、職員と一緒に外出をしてご自身の状態を把握し、その情報を今後のリハビリにも取り入れていきます。
介護指導
在宅での生活に向けて、介助の方法や介護保険等についての講習を、ご家族や介助者の方々に向けて行っていきます。
1日の流れ
6:30 起床
おはようございます。一日の始まりです!!
洗顔、整容、トイレ等の朝の身支度を行います。
7:30 朝食
体調の芳しくない方を除き、皆さん食堂でお食事です。
実際の御自宅での生活を考え、歩いて又は車椅子にて移動します。
8:45 更衣練習
御自宅での生活を目標に病院着から私服に着替える練習を行います。
リハビリの一環ですので自力で行うことを目指しますが、着替えることでの心のリハビリテーションも兼ねています。
9:00 リハビリ(PT)
各患者様の状態に合わせて、リハビリ室や病棟にて理学療法を実施します。
理学療法について >11:30 立ちリハ
食事前に脚力強化の立つ練習を行います。
呼び名は『立ちリハ』。
皆で掛け声「イチ、ニィ、サン…」♪
12:00 昼食
昼食時には、食事の形態や食べる時の姿勢、食べ方等について関連職種によるアドバイスを行います。
13:30 リハビリ(ST)
各患者様の状態に合わせて、リハビリ室や病棟にて言語聴覚療法を実施します。
言語聴覚療法について >14:30 いきいき広場
参加可能な方は、ロビーに集合してレクリエーションを行います。
作業活動を通してコミュニケーションの輪も拡がる『いきいき広場』です。
16:30 リハビリ(OT)
各患者様の状態に合わせて、リハビリ室や病棟にて作業療法を実施します。
作業療法について >18:00 夕食
食事内容によっては、夕食時にも昼食時同様、関連職種によるアドバイスを行います。
回復期病棟での取り組み
当院回復期病棟では、リハビリ以外の時間でも患者様同士の交流や認知・身体機能向上を目標に様々な取り組みを行っています。
ハピレク
ハピレクとは、患者様の活動性向上や余暇活動の充実を目的として、病棟職員が行っているレクリエーションのことを指します。
具体的には、毎週火曜日と土曜日に書道や塗り絵、つくリハの準備を、また、第1・3日曜日には映画鑑賞を行っています。
病棟職員とリハ職員が共同して行っている取り組みも多くあります!!
いきいき広場
毎週木曜日、食堂において集団体操・アクティビティ・歌唱などを行っています。
患者様の活動性向上を目的としており、患者様同士のコミュニケーションの場ともなっています。
つくリハ
月に1回、病棟患者様で集まって季節に合わせた1枚の壁画を作成しています。
患者様に準備を行っていただき、余暇時間の充実を図っています。
ピアワーク
少人数でグループを作り、退院後の生活について不安な事(調理・外出など)に取り組み、自信に繋げていく会です。
青空の会
回復期病棟に入院されている患者様とそのご家族の方を対象に、リハビリ職員主催で行っている介護者教室を『青空の会』といいます。
介護保険制度や介助方法などをテーマに、講義と実技を交えながら年に6~7回開催しています。
立ちリハ
筋力増大やADL能力向上を目的とした病棟で行う集団起立練習です。当院では、リハビリ室以外でのリハビリにも積極的に取り組んでいます。
立ちリハでは、みんなで声を掛け合い楽しみながら取り組んでおり、能力アップだけでなく、患者様同士の交流の場ともなっています。
今日も元気に、せーの!1、2、3、4♪
外出・外泊練習
実際に自宅で生活できるか、外出に問題はないか等の確認を、実際に患者様と行うことで退院後の生活に困難が生じないようにします。
具体的には、公共交通機関を使用した外出練習を行ったり、外泊をする際の注意点に関してご家族に指導を行います。
職員全員が知識・技術を深め、より良いチーム連携を行うために
定期的に勉強会やミーティングを実施しています!!
復職支援
自宅復帰に向けたリハビリの他、復職に向けた準備をお手伝いしております。
(仕事内容の確認、病院内外での模擬動作練習、復職先の方との連携)
リハ栄養チーム
リハビリを必要としている患者様に対して、早期に低栄養と判断される患者様を抽出し、リハビリ内容を考慮した栄養管理・食事介入・薬剤調整が行えるよう、専門スタッフ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・看護師・薬剤師)が主治医と連携してサポートしています。
リハビリ部門勉強会
職員の知識・技術向上のため、数グループに分かれて各部門で勉強会を開催しています。
基本的な内容から、院外で学んだ伝達講習等も積極的に行っています。
また、一つの手技・手法にとらわれる事なく幅広く取り組んでいるのも当院の特徴の一つです。
介護者教室(ご家族様専用)
患者さまとそのご家族様向けのお役立ち情報を発信しております。