当院のリハビリテーション(以下、リハビリ)は、主に基本動作(起き上がり・立ち上がり・歩行等)の改善を目指す『理学療法』、主に日常生活動作(更衣・排泄・入浴・家事等)の改善を目指す『作業療法』、話す・聞く・表現する・食べる等の改善を目指す『言語聴覚療法』の3部門で構成されており、入院・外来と訪問でのリハビリを行っています。
理学療法(PT)
病気・けが・高齢などによって生活に障害を生じている人に対して、運動および電気刺激・温熱などの物理的手段を加えることを言います。
それにより、日常の生活動作(起立・歩行など)の改善を図り、最終的には生活の質の向上を目指します。
具体的なイメージとして、生活に必要な動作は、下記のように細かい動作から成り立っています。
起きる
- ベッド上で寝返る
- 起き上がる
立つ
- 座る
- 立ち上がる
この中で、患者様がうまく行えない部分に対しアプローチを行っていきます。
作業療法(OT)
食べる、トイレに行く、着替える、入浴、家事など生活に関わるすべての活動を「作業」と呼んでいます。その方が必要とする生活行為を再獲得することが「作業療法」です。
作業療法士は、患者様が望む生活を送るために、どのような作業が必要かを一緒に探し、支援していきます。
神経筋促通運動
IVES(電気刺激療法)を使用した治療も行っています。
日常生活動作練習
実際の自宅環境を想定した生活動作の練習を行います。
余暇活動
活動能力や身体機能へのアプローチと共に、患者様の人となりや興味関心に寄り添いながら取り組みます。
応用動作練習
家事や調理、外出など応用的な動作の練習を行います。
言語聴覚療法(ST)
「ことばが理解できない・上手く出てこない」「呂律がまわらない」などの障害でお悩みの方に対し、ご家族や友人とのコミュニケーション手段を模索し、より良いコミュニケーションが図れるよう、ことばのリハビリや口腔の運動を行います。
また、「食べ物が上手く飲み込めない」方に口からより安全に食べて頂けるようサポートするのも言語聴覚士の仕事です。
回復期リハ病棟では口から食事が摂れることで家庭復帰をお手伝いし、コミュニケーション手段を獲得して自分らしい生活ができるよう支援します。
呂律がまわらない
- 上手く喋れない
- 口が上手く動かない
ことばが出てこない
- これは何と言うの?
- 何を言っているの?
食べることが難しい
- 上手く飲み込めない
- ムセてしまう
この中で、患者様がうまく行えない部分に対しアプローチを行っていきます。
さいたま市地域リハビリテーション活動支援事業について
昭和22年から24年生まれの団塊世代の方が後期高齢者(75歳)となる平成37年(2025年)までの間、埼玉県は後期高齢者の人口増加率が全国1位と推計されています。
そのような中、平成26年度より埼玉県において「地域リハビリテーション(以下、リハ)支援体制整備事業」が開始され、さいたま市においては今年度より「地域リハ活動支援事業」が開始されます。
当事業は、『いつまでも元気で、介護を必要としない生活を送る。』ために、リハ専門職である理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が地域の自治会や老人クラブ等の通いの場へ出向き、介護予防体操の実践や認知症予防への取り組み等について働きかけを行っていくものです。
当院は今まで、県の事業の協力医療機関としてリハ専門職を派遣してきましたが、今年度より、さいたま市地域リハ活動支援事業における「地域リハ活動支援拠点」として市の委託を受け、見沼区・緑区・岩槻区を担当します。
この3区の高齢介護課や地域包括支援センター(シニアサポートセンター)からの依頼を受ける窓口となり、各区の協力医療機関や協力老人保健施設等とともに、リハ専門職を派遣する役割も継続します。
いつまでも元気でいるためには、お一人おひとりの主体性が大切です。介護予防に関心がある方、取り組んでみたい方は、まずは地域包括支援センターや区高齢介護課にご相談ください。
さいたま市地域リハビリテーション活動支援事業のイメージ
(埼玉県地域リハビリテーション支援体制を改変)
老人クラブでの介護予防体操の実践
自治会での介護予防体操
(いきいき百歳体操)の実践
公民館での認知症予防体操
(コグニサイズ)の実践
介護者教室(ご家族様専用)
患者さまとそのご家族様向けのお役立ち情報を発信しております。